読書感想:アンデルセン The Swineherd ブタ飼い王子



平成27年(2015)4月2日から読み始め、4月9日に読み終えた。

おもしろい童話だった。

しかし、読んだ子供はどうおもうのか気になる。

貞操を守る、良い子になるだろうか。




There was once a poor Prince, who had a kingdom. His kingdom was very small, but still quite large enough to marry upon; and he wished to marry. It was certainly rather cool of him to say to the Emperor's daughter, "Will you have me?" But so he did; for his name was renowned far and wide; and there were a hundred princesses who would have answered, "Yes!" and "Thank you kindly." We shall see what this princess said.

昔々ある所に貧しい王子様がいました。王子様は国を持っていました。彼の国は本当に小さかった。しかし、結婚するにはじゅうぶんな大きさでした。
そして王子様には結婚したい皇帝のお姫様がいました。しかし皇帝のお姫さまに「 "Will you have me?"」「結婚してくれますか?」と云うのは一寸ずうずうしい、しかし王子様は云いました。
王子様の名前はたくさんの人々が知っていて、100人の王女さまが二つ返事で「はい、結婚します」「よろこんで」と云うでしょう。
さて、皇帝の王女様はなんて答えたのでしょう。


≪昔のヨーロッパでは小公国とか都市国家があり、それを束ねる皇帝がいた。
現代風に言えば大阪府があり、大阪市、堺市の市長が貧しい王子様の国でそれを束ねている大阪府が皇帝みたいなものか。≫

≪その例えは、一寸違う!と突っ込みが入りそうだが・・≫まあ、いいか。

貧しい王子様は皇帝のお姫さまにプレゼントを贈りました。
それは亡くなった王子のお父様の墓に植えられているバラの木とナイチンゲールの小鳥。
バラの木は5年に一度、一輪の花を咲かせ、その香りをかぐと苦しみや、心配事を忘れるそうです。小鳥のさえずりは本当に素晴らしいさえずりでした。

これを皇帝のお姫さまにプレゼントした。
しかし、お姫様は造り物で無いバラと生き物の小鳥に落胆。
造り物が好きだったんでしょう。

そこで貧しい王子は変装して皇帝のお城に行き、なにか仕事をと。
皇帝はブタがたくさんいるのでブタの世話をしてくれと、貧しい王子を雇ってくれた。

そして王子は小さなかわいい壺を作った。
壺の周りには小さな鈴がつけられた。その壺でお湯を沸かすと、そのベルが本当に美しい古いメロディーを奏でた。

"Ach! du lieber Augustin,
Alles ist weg, weg, weg!"


"Ach! du lieber Augustin,
All  is gone, gone,gone!"

「ああ! あなたは、親愛なるオーギュスタンです、
離れて、離れて、すべてはいません!」
「ああ! あなたは、親愛なるオーギュスタンです、
すべてはなくなって、なくなって、なくなります!」

この歌を訳すことが出来なかったので、上の訳は「ヤフー翻訳」の訳です。

しかしそれだけでなく、壺の湯気に手をかざすと、町中の家でどんな料理が作られ、食べられているか見えるんです。

丁度そこにお姫様が通りかかり、その壺を欲しがった。

侍女に譲ってくれと行かせたが、金ではなく、お姫さまのキスを10回くださいとブタ飼いは云った。

お姫様は結局壺欲しさにキスを10回した。

それからブタ飼いは「rattle」を作った。赤ちゃんをあやす「ガラガラ」です。


昔読んだ、≪SIDNEY SHELDON MASTER OF THE GAME≫で、この「rattle」を初めて知った。
その「4」で、マーガレットに赤ちゃんをおしつけられた夜、泣き叫ぶ赤ちゃんを見にマクレガーは赤ちゃんの寝ている部屋に行く。そこで自分そっくりな赤ちゃんを見て愛情が湧く。

Now, that's a brave lad, Jamie thought,ling there, not making any noise, not screaming like other kids would do. He peered closer. Yes, he's a McGregor, all right.

こいつは本当に勇敢なやつだ。少しの音も立てない、ほかの子供がするような叫びもしない。マクレガーは更に近くに寄って子供を見た。
イエス、こいつは確かにマクレガー2世、私の子供だ。

CDの音声では、マクレガー2世赤ちゃんがニコニコと笑っているような、声がバックに流れていました。



翌朝、使用人の若者Davidに言う場面。

”David、do you know anything about babies?"
"In what respect,sir?"David Blackwell asked.
"Well-you know. What they like to play with,things like that."

The young American said, "I think when they're very young they enjoy rattles, Mr,McGregor."

"Pick up dozen," Jamie ordered.

1ダースも≪ガラガラ≫を買うなんてと、読んだ時は思ったもんです。
それほど赤ちゃんに愛情を覚えたんですな。
しかし、そのマクレガー2世は後々、現地人に殺されます。
マクレガーは寝ずにさがしまわり、心労と疲労で倒れる。
そして1年後マーガレットの腕の中で亡くなります。
今でもその場面を思いだすと涙がにじんできます。

本題のブタ飼いに戻ろう。

そのブタ飼いが作った「ガラガラ」を回すと、ワルツやジーグ、今まで世界中で作られた曲が演奏出来たのです。

またもお姫様は欲しくなり、ブタ飼いに侍女を使いにやる。
しかし、今回はお姫さまのキスを100回と言う。

あまりの欲しさにその申し入れをお姫様は受け入れる。

侍女に囲ませブタ飼いとキスをし始めた。

丁度86回キスをした所だった。

父の皇帝にその場面を見られ、皇帝の怒りをかい、ブタ飼いとお姫様はお城から追い出される。

ブタ飼いは木の陰に隠れて、変装していた顔の汚れを落とし、そして汚れた汚いブタ飼いの服を脱ぎ捨て、自分の王子の服に着替えた。

そこでお姫さまに言う。

"I am come to despise thee," said he. "Thou would'st not have an honorable Prince! Thou could'st not prize the rose and the nightingale, but thou wast ready to kiss the swineherd for the sake of a trumpery plaything. Thou art rightly served." He then went back to his own little kingdom, and shut the door of his palace in her face. Now she might well sing, "Ach! du lieber Augustin, Alles ist weg, weg, weg!"


私は汝を軽蔑する。汝は立派な王子をむかえようとしなかった。
そして汝はバラの価値もナイチンゲールの価値も分からなかった。
くだらないおもちゃのためにブタ飼いともキスをする。その報いを今受けるのです。

そして自分の小さな王国に戻り、お姫さまの目の前で門を閉めた。

そして今はお姫様が唄うかもしれません。

≪おー!汝、うそつきアウグスティン、もう何もない、無い、ない≫


お姫さまもお姫様だが、貧乏な王子も王子だ。

人をだますのはいけません。


そして、身体を投げ出しても、欲しがるようなものを見せびらかし
女を貶めることをしたら駄目です。


それにしても、その後、お姫様がどのような人生を歩んだか・・気になりますね。






ブタ飼い王子の次に読んでいるのは、≪The Red Shoes≫。

これは本当に悲しい物語です。

当時のヨーロッパで守るべき事を守らなかったら、こんな目にあうんだと云う、戒めの云い伝えでしょう。
それにしても、幼い子供を踊り殺すなんて、ひどい話です。









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