昨夜のことだ。
空港島での仕事を終え、日根野駅に22時20分過ぎに着いた。
風も強く、気温も低かったので、和歌山行きの電車を待つ間、日頃は入らない待合室に入った。
待合室の空き椅子は無かった。あってもいつも座らないから私には困ることは無かった。
待合室に入ってすぐ、外での格好そのままに、上着の頭からかぶるフードをしっかりとかぶり、電車の中で読んでいた百田尚樹氏の「海賊とよばれた男㊤]の続きを読み進めた。
数分もしないうちに、右横に座っていた、女子高校生らしき眼鏡をかけた背が私よりも低いかわいい子がすくっと立って言った。
「どうぞ、お座りください。」
なんと、私は返事に困った。
ただ、そのまま黙っているのもなんだから、苦笑いをしながら
「ありがとう」と言ったまま、本を読みつづけた。
どうぞ、お座りくださいと声をかけてくれた、お嬢様はすぐに待合室を出た。
電車もこないのに。たぶんその場の雰囲気にいたたまれなかったんだろう。
悪いことをした。
64年と半年生きてきて、席を譲られたのは初めての経験だった。
頭では若いつもりでも、若い人から見れば、席を譲らなければいけない、風体になっているのだろう。
ふと、待合室のガラス戸に映る自分の顔を見た。
年よりの顔だった。
でも、まだまだ席を譲られるような、顔ではない。
と、思うのだが。
コメント
本を読んでるから
座席を譲ってもらったと思えばどうですか?
もしもその子が最大限の勇気をもって
席を譲ったとしたら~
その勇気に応えてあげるのも
人生の先輩の優しさでは?と思います
もう2度と席なんか譲らない・・・って
悲しい気持ちになる事もあるかも?ですよ
と、思っています。