百田さんの「殉愛」を読み終えた。
それを読む前に途中まで読んでいた、夏目漱石の「虞美人草」に戻った。
カシオの電子辞書≪EX-worad XD-U6500≫に入っている日本文学1000作品の一つだ。
その中で夏目漱石の作品を今まで読んだのは、坊ちゃん、吾輩は猫である、草枕、夢十夜、そして今読みかけの、虞美人草である。
虞美人草は約1736ページある。
吾輩は猫であるが約2662ページ。この吾輩は猫であるは面白く何の苦も無く読めた。
であるから、虞美人草の1736ページなんか、わけないと思っていた。
しかし、これが大変だった。
物語は書生らしき若者二人が比叡山に登る所から始まる。それから別の場面に変わり、何が何だか分からなくなる。
数百ページ読んだ所で、もうやめようかと思った。でも、途中であきらめるのは嫌いだ。
何が自分をここまで読むのを苦労させているのかを検証して見た。
虞美人草に搭乗する人物の相関関係が自分には分かりづらいことが大きな原因と知った。
電子辞書のノートを利用し、登場人物を書いた。
小説の冒頭からもう一度読み、関連を記録した。
若い二人の書生らしき者の人物像がわかってきた。
四角の男は宗近一、糸子の兄である。
細長い病弱な男は甲野欽吾、藤尾の兄である。
比叡山の山登りの項が終わり、どことも分からない所の話になる。
そこに登場する人物、小野と藤尾。
この二人がこの小説の一番の重要人物であった。
今日、やっとこの小説の面白さが分かってきた。
今読んでいる所は、小野がお世話になった先生の娘、小夜子をとるか、気の強い策士だが金持ちの藤尾を選ぶかの場面だ。
金に目がくらむ小野だ。勉学には金が必要との理屈。あまり好きになれない。
娘の為に京都から東京に出てきた、孤堂先生の気持ちを考えると泣けてくる。
そして、控えめでおしとやかな小夜子がかわいそうになってくる。
どうなるのか、最後のページを読み、結果を読みたいが、今回は我慢しよう。
今からが最高の場面だ。
今からが最高の面白さだ。
訳の分からなかった、登場人物の相関関係が一気に氷解するがごときに分かるのだ。
小説て本当に面白い。
夏目漱石なんて、もう、古典の分類に入るかもしれないが、読めない漢字や意味のわからないことばを気の向くままにジャンプして調べながら読むのも楽しい。
明日もこの続きが読めると思うと、幸せを感じる。
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