有給休暇取得、企業に責任


1月7日(水)ニュースを読んでいると、この文字が目に入った。

「有給休暇取得企業に責任・・時期指定義務づけへ

政府が1月26日召集予定の通常国会に提出する労働基準法改正案の骨子が明らかになった。

企業に対し、従業員がいつ有給休暇を取得するか時期を、指定することを義務づけ、確実に取得させることが柱だ。」



いよいよヨーロッパ並みに時季指定権を使用される側から、使用している経営者側に移すことになると思った。

ヨーロッパの有給休暇消化率が高いのは経営者側が時期を指定し、従業員に有給休暇を振り分けているからだ。業務に支障が少なくなるように、計画的に休みを与えている。

自分の都合で休みを申請出来ないのかと云うと、そうでもないらしい。

自民党が今回提出する法律でも、働く人の希望日が無視されるわけではないらしい。

そもそも、今現在日本の有給休暇の実情はどうなっているのか再度調べてみた。


厚生労働省のホームページを見ると

年次有給休暇の取得状況(繰越日数は除く)は

          付与日数   取得日数    取得率
 
平成23年    17.9     8.6      48.1%

平成22年    17.9     8.5      47.1%     

取得率を企業別にみると

 1000人以上   55.3%
 300~999人  46%
 100~299人  44.7%
 30~99人    41.8%


有給休暇は正社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイト、企業で働いている人なら、一定の条件さえ満足すれば、全員にあるもの。

勤続年数       0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上

法定最低付与日数 10日  11    12    14   16   18   20   20

繰越は前年分のみ   ↘   ↓ ↘   ↓↘   ↓↘   ↓↘   ↓↘  ↓ ↘  ↓  
消化出来ず、残数       21    23    26   30    34   38   40 


一定の日数に足らない人はその割合で有給休暇の日数が定められている。

これだけの日数がありながら、消化率は当年の付与日数だけでも、日本全国平均で約50%だ。

例えば、勤続5.5年なら、当年付与日数は18日。

全国平均の消化率は約50%なので、年間約9日有給休暇を取得したことになる。

しかし、前年繰り越しを含めると34日あるわけだから、9日消化しても25日は残り、取得率は約26.5%である。

25日残っても、よく年に繰り越せるのは、当年の18日であるから、翌年は当年の20日と18日足して、38日になる。

6.5年以上は20日であるから、有給の最高に数は40日となる。


日本の有給取得率が少ないのは、経営者側の意識が一番問題と思う。

この忙しいのに、何にも用事の無いくせに、毎月有給出すなんて、何という奴だ。

だから、時季指定権の行使 申請しても、時季変更権を行使され、有給休暇が取得できない事例が多い。
経営者側が時季変更権を行使しても、何ら罰則が規定されていなのが、それに拍車をかけていると思う。

今の時季指定権の罰則を強化すればいいと思うが、それだけでは解決できないと、政府は思ったのだろう。

第二に使われている側にも大いに問題がある。



仲間に遠慮して、有給休暇を取らないのだ。

反対に、取る人に、なんじゃあいつは、用事も無いのに休みやがってと。

休んで旅行なんか行くと、なんであいつだけ年に何回も有給取っていくんやと総すかんだ。

有給休暇を取ること自体が仕事をさぼっていると思っている人が多すぎる。

そもそも年次有給休暇は1936年の国際労働機関(ILO)第52条約によって定められた。

厚生労働省のホームページには有給休暇ハンドブックPDFがあり、有給を取得する意義が述べられている。

その一部を抜粋すると

「経営を支える従業員の効率的、創造的な働き方を実現するためには、今まで以上に休暇の果たすべき役割が重要になります。
新しい技術への対応や独創的な発想などはストレスの解消やリフレッシュがきちんとでき、生きがいをもてる生活、働きがいのある職場から生まれてくるものだからです。」

ヨーロッパの人は休暇を得るため、働くそうです。

日本は働く為に、身体を休めるために、休暇があると、聞いたことがある。


やっと、世界的に恥ずかしい限りの有給取得率を政府主導で見直すことになったことになった。

実効ある法律が出来ることを期待する。

そして、この法律が成立し施行されるまで、まだ時間がかかるだろう。

そこで、経営者と使われている側に提案したい。

どうしたら、取得率をあげることが出来るか、今から真剣に考えて、行動を起こしてほしい。

何が問題なのか。

この問題は人を増やさずに、解決できないのか。

どうすれば、解決できるのか。

真剣に考え、今までの枠にはめずに、瓢箪から駒を出すような、奇抜なアイデアを労使一体となって考え、プランを練って、実行に移し、更に改良し、善循環になるよう、諦めずやらないと、会社自体が潰れることになる。






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