2月7日から読み始めた、森鴎外の「青年」をやっと読み終えた。
内容は巷で云われるほど、それほどでもなかったという読後の印象だ。
田舎から東京に作家希望で出てきた小泉純一。
田舎の実家は金持ち。生活には困らない。大学にはまだ入学していない。高校の先生から大作家宛への紹介状を持ち、その大作家を訪ねる。
しかし、作家は何もするわけではない。
すでに大学に入っている学生とのやり取り。
瀬戸速人に金を無心されるが断る。
医科大学の学生、大村荘之助これはかしこい。哲学的問答が小泉純一と続く。
芝居を見に行った時に偶然知り合った坂井婦人。
同郷のY県出身で高名な坂井恒先生の夫人だ。坂井恒先生は遅くに結婚し若い奥さんを貰った。
しかし、御病気で早世した。
夫人が純一がフランス語を操ると知り、自宅に本が多数あるからと誘う。
純一はそこに行き本を借りる。
本を返す時、年末に箱根に行くので、お暇ならいらっしゃいと、誘われる。
その箱根に行くと、すでに夫人の所には名を成している画家「岡村」がいた。
岡村に嫉妬する、坂井夫人の仕打ちを恨む・・。
もやもやとした気持ちをふっきるように、箱根から東京にすぐ戻ろうと決心する。
そして、なにか小説が書きたい、現代文の小説が書けそうだと、思う。
二十歳に至らない若き青年。
女性を見ると、自分に気があるのではと思う。
自分好みの女、そうでない女、若き男が思う事がオブラートに包んだような言葉で表現されている。
読み終えた時、思った。
当分、小説は違うジャンルにしようと。
カシオの電子辞書に入っている、「世界文学1000作品」の中から選ぶことにした。
まずは、入りやすい童話からと、グリム兄弟の「ヘンゼルとグレーテル」に。
おもしろい。
本当に面白かった。
あっという間に読めた。
子供時代にたぶん読んだと思うが・・私は兄のヘンゼルの方が魔法使いのお婆さんを殺したと思っていた。
この本ではグレーテルが熱く燃える釜の中に突き落としたとあった。
そうだったんだ。
魔法使いの財宝を奪い、お父さんが待つ自宅に戻る。
大きな川と訳した方がいいのか・・a large piece of water
but when they had walked for two hours they came to a large piece of water.
we cannot get over, i can see no bridge at all.
大きな川を渡る事が出来ない、周りを見渡しても、橋は無いし、ボートも無いと。
しかし、グレーテルが泳いでいる白いアヒルを見つけた。
そして言う。
i will ask her to help us over.
and she sang.
二人で立って歌い、アヒルを呼び寄せた。
アヒルの背中に乗って大きな川を渡ろうと、まずヘンデルがアヒルにまたがり、次にグレーテルを後ろに乗せるする。
グレーテルは反対する。
二人も乗ったらアヒルさんが死んでしまうと。
アヒルをあきらめた二人は森の小さな小道を歩き続けた。
見覚えのある木や森を見つけ、ついに、お父さんの待つ自宅に戻った。
継母はもう亡くなっていた。
親子三人幸福に暮しましたとさ。
この物語は本当に面白かった。
最初、兄のヘンゼルがかしこく動いた。
しかし、魔法使いのお菓子の家につかまってから後の働きは殆ど幼い妹のグレーテルだ。
魔法使いを殺したのも。
大きな川を渡るための、アヒルの提案も。
かしこく強くなっていく、グレーテルの成長がどうなるのか、気になった。
追記
カープの黒田投手のインタビューに感動した。
眼を真赤にし、涙を溜め、カープで野球人生を終わりたい、小さな街広島、ここで終わりたいと。
人間、金ではない。
20億を蹴って、広島に戻った黒田投手に乾杯。
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