危険が迫っている


私は毎日早朝4時前に起きる。
仕事の時も、仕事休みの時も、4時には起きている。

仕事の日は5時過ぎには家を出なければいけない。
休みの日は畑作業だ。
これは明るくならないと作業にならないので、だいたい7時過ぎには家を出る。

この4時ごろから家を出るまでのわずかな時間が私が私のために自由にそして好きにできる時間だ。

日記もこの時間に毎日書いている。
夜勤の時はスマホで書けばいいのだが、そんな気力は無い。
だから、二日分を書く時もある。

そんな忙しい早朝のことだった。

スマホのアラームが出勤に出発する時間を知らせた。

寝ている相方を起こした。

PCをシャットダウンした。

その前に、急いで髭剃りをした、上唇の出血が止まらない。
ティシュをあてながら、いつものリックサックを背負った。

玄関を出たところで、気付いた。

メガネが無い。

遠近両用で仕事には必要なものだ。
忘れたらいけないと、会社のロッカーの中には古い遠近両用の眼鏡もストックしてある。

占めたドアをもう一度開け、洗面所、PC周りと探した。

無い。

電車の時間も迫っている。

えい、今日はロッカーの予備の眼鏡を使おうと決心した。

車の中で相方に言った。

メガネが見つからないんだ。
たぶん洗面所の洗濯機の上に置いたと思うんだ。
帰ったら探して欲しい。

相方は言った。
覚えていたら探すわと。

駅に着いた。

車を降りて、階段を上るときに、普通電車が発車するのを見た。

え、なんで。

時間を見間違えたのを気付いた。

私がヤフーの乗り換え検索で見たのは特急電車の時刻だったのだと。
遅れても、仕事に差し支えないように、一電車早く着くようにいつもやっているので、仕事に送れることは無い。

あほやなーと自分自身をせめながら、スマホでヤフーニュースを開いた。

無意識に曇っていると、右手を目の付近にもっていって、メガネをつかんだ。

なんと、なんと、メガネをかけていたんだ。

あまりの恥ずかしさに、しばし、言葉も出なかった。

メガネをかけながら、メガネを探していたんだ。

メガネをかけながら、相方にメガネを探してくれと言っていたんだ。

あ~、俺もいよいよボケがココまで進行したのかと思うと、力が抜けてくるのを感じた。

危険が迫っている。

我が身に危険が迫っているのを感じた。





コメント