読書 読書感想:時が滲む朝 楊 逸 著

 


この本は《中国の暴虐》櫻井よしこ、楊逸、楊 海英 共著の本で知った。


外国人で芥川賞を取ったのも興味があったが、日本国籍を取るまでの過程が書いていないかに興味があった。

物語の始まりは

答案用紙を走るボールペンが一瞬止まった・・で 

大学受験の場から始まる。

二人の男の子とその親と中国残留孤児の女の子、そして30代の大学教授 甘 その他多数の方々が激動の時代をどう生きたかの物語。

彼らが生きた時代の中国は激動の時代。

1966年 中国文化大革命

(私の理解:毛沢東が大躍進政策の失政で自分の身に批判が起こり、権力を自分に取り戻そうと起こした、中国共産党内部の権力闘争と私は思っている。1976まで続き1977年に終わるまでに1千万人規模の犠牲者を出したそうだ。)

1989年 天安門事件

(私の理解:私が40歳ときだ。その頃の私の理解は6月4日に天安門広場に学生たちが集まって開いた集会に戦車が襲い掛かり多数の学生たちを殺したと。たった一日の出来事だと理解していた。実は数カ月前から民主化運動は起こっていたのを理解したのは大分後である。物語の二人の主人公が大学に受かり、その生活に少し慣れたころに学生たちを中心に民主化運動がおこる。主に参加した尊敬する大学教授の行動や、主人公である二人の学生が飲み屋でけんかして退学になったその後の物語。)

その頃の日本の出来事で私の記憶に残っているのは

1992年4月25日、尾崎豊さんが26歳で亡くなった。

1995年5月8日、テレサ・テンさんが静養で訪れていた、タイ・チェンマイで亡くなった。

今でもテレサテンさんの歌はスマホで畑の行き帰りに感傷に浸りながらたまに聞いている。

本の題名の《滲む》の言葉が初めて出てくるのは78p。
《甘先生の言葉には涙が滲んだ計り知れない重みがあった。》

最後のページで飛行機を見送りながら家族で話す場面がある。
この言葉がなぜか記憶に残っている。

ふるさとって何?

「ふるさとはね、自分の生まれたところ、そして死ぬところです。
お父さんやお母さんや兄弟たちのいる、温かい家です」

「じゃ、たっくんのふるさとは日本だね」


18歳で大阪に来てもう72歳。

私の故郷は沖縄やんばるの東村、名護市、そして今は大阪の片田舎のこの地。
この大好きな大阪の片田舎で一生を終えるんだ。

残り少ない生きている時間を精一杯この地で生き抜きたい。












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