読書 読書感想:西加奈子 著 《きいろいゾウ》

 


3月25日(金)午前5時40分から、玉置浩二さんのメドレーを聞きながら《きいろいゾウ》を午前7時10分まで読んだ。それから畑に行く準備をし、午後2時過ぎまで畑で頑張った。

3月26日(土)早朝から雨。午前7時過ぎから、ユーチューブの吾亦紅のミックスリスト聞きながら、午後3時過ぎまで183ページまで読んだ。

私は自分でも本を読む速度が遅いとおもう。




本の内容を読書ノートに書きながら読む癖にはまり、余計遅くなった。

速読の本、2冊購入して試してみたが、なんか速読なんて、必要なのかと思うようになり、身に着くこともなく辞めた。大好きな本を早く読むのが自分の求めていることではない。読んでいる時間が自分が「いま、ここ」を真剣に一瞬一瞬生きて楽しみたいのだ。

ムコさん、ツマとよばれる新婚さんが、だれも住んでいないムコさんのおじいさんの家に東京から引っ越した所から物語が始まる。

どこの田舎と書いていないが、「いけん」という方言があったので、たぶん、九州かなと自分なりに想像している。

ツマさんには特技がある。

(カンユ)さんという野良犬や(コソク)という駒井さんの家のチャボや虫や木々ともおしゃべりができる。
後半では、幽霊も見ることができる。

西加奈子先生の本で《漁港の肉子ちゃん》を読んだとき、何度も同じような表現が出てきた。《漁港の肉子ちゃん》は2011年8月の刊行で《きいろいゾウ》は2006年3月できいろいゾウのほうが5年半も早いから、だいぶ前からそんな表現が好きだったんだ、と、勝手に思った。

そして、3月27日(日)午前7時から〈ユーチューブで浜田省吾さんや玉置浩二さん、吉幾三さん、すぎもとまさとさんを聞きながら〉午後2時50分、488ページ読了した。

面白かった。

人生いろいろ。

ムコさんは背中に鳥の刺青を背負う過去を持ち、小説を書きはじめ、やっと小説も名前も売れるようになった。

ツマさんは小学校時代に心臓病で一年も入院した過去を持っている。

病室で月に祈る場面がある、小田雅久仁さんの《残月記》が頭に浮かんだ。
月は地球の衛星で古くから人間は月を見て生きてきた。
🌑新月から三日月(これは新月から三日たった月だから三日月)そして満月を迎え、月の模様をウサギと思う人もあれば恋する女性とみる片思いの若い男もいる)
小学校のツマさんは満月の月に・・みんなのように、おそとであそべるようにこころからいのった。

病室で(きいろいゾウ)に励まされ、生き切った。

お互い壮絶な過去を知らず、親の反対を押し切り、勘当されても一緒になった。

ツマさんのお母さんが封筒に入った一万円札をポケットに押し込む場面、泣けてきた。

電車の中で酔っ払いのおじさんが歌う・・グッナイ ベイビー

きっといつかは 君のパパも 分かってくれる。
涙に 濡れた 冷たい頬を 拭いてあげよう
だから
グッナイ グッナイ ベイビー

一枚の手紙が届いたムコさんの壮絶な過去が明らかになる。

この小説を読んで私は若かりし頃を思い出した。

私は23歳で結婚した。妻は短大を卒業したばっかりの20歳。
今思えば、私は彼女のことは何も知らずに、ただ私好みのかわいいというだけで好きになり一緒になった。貧乏だった。一緒に住み始め、彼女の母親からそろそろ籍を入れてくれと言われ、結婚は籍を入れるなんて思ってもいなかった私は私の誕生日に彼女と一緒に役所まで行った。
誕生日が結婚記念日だ。
新婚時代は喧嘩ばっかりだった記憶がある。
法律の勉強をしたいと思い。
金もないのに法律の本を買い、読んでいた。
小さな六法全書を会社に持っていき、ぼろぼろになるまで読んだ。
ある日妻が切れた。
なんで、なんで、本ばっかり買うの。
今でもその日のことを私は忘れない。
彼女を追いだした。
彼女は外をさまよい、約1時間後に戸をどんどんとたたいた。
戸を、開け、中に入れた。
法律の勉強することはそれ以来やめた。
私みたいな能力のない人間がいい格好してやるべきでなかったことを知った。

あれから50年。

色々あったが

残り少ない人生。

相手の喜ぶことを考えて生きて生きたい。


最後のページの

必要なもの。

ぼくのつま

私もそう言いたい。






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